「ブギウギ」にて、菊地凛子さん演じる茨田りつ子のモデルは淡谷のり子さんです。
淡谷のり子さんはどのような方だったのか、また、「ブギウギ」のヒロイン・鈴子(趣里)のモデル・笠置シヅ子さんとはどのような関係だったのか、
以下、まとめてみました。
目次
「ブギウギ」茨田りつ子(菊地凛子)のモデル・淡谷のり子についてまとめ!
「ブギウギ」にて、菊地凛子さん演じる茨田りつ子のモデル・淡谷のり子さんについてまとめてみました。
生い立ち
1907年(明治40年)8月12日 、青森県青森市にて豪商「大五阿波屋」(だいごあわや)の長女として生まれました。
その後、淡谷さんが3歳になった1910年(明治43年)に火事によって店が焼失してしまいます。
父・彦蔵さんは再建を目指したものの、放蕩癖が災いし、淡谷さんが10代の頃には実家は破産してしまいました。
1923年(大正12年)に淡谷さんは青森県立青森高等女学校を中退し、父親に愛想を尽かした母・みねさんと妹・とし子さんと共に上京。
青森にいた10代の頃の淡谷さんの将来の夢は、作家か新聞記者になることだったそうなのですが、上京前後には音楽好きな母・みねさんの影響を受けて音楽の道に進むことに。
上京後16歳の時、音楽教師になろうと東洋音楽学校(現・東京音楽大学)ピアノ科に入学に入学されたそうなのですが、
その後、先生より勧められた試験を受けて合格し、声楽科へ編入。
そこからクラシック音楽の基礎を徹底的に学び始めることとなり、オペラ歌手を目指されたそうです。
ですが、実家が徐々に貧しくなっていったため、淡谷さんは学校を1年間ほど休学し、働くことを決意。
加えて、妹・とし子さんが失明の恐れのある眼疾にかかっていることが分かったことで、
妹の治療費、家族3人の生活費、そして復学のための授業料を稼ぐため、淡谷さんは「霧島のぶ子」の名前で実入りのよい仕事だった絵画の裸婦モデルを務めるなどされたとのこと。
10年にひとりのソプラノ
1926年に復学後は、音階通りの声が出せない苦しさに泣きながらも、やがて高音域(ファルセット)の歌唱を体得。
努力の甲斐あって、1929年、声楽科を首席で卒業されました。
その年の春に開催されたオール日本新人演奏会(読売新聞主宰)にて、母校を代表して歌ったところ、「10年にひとりのソプラノ」と絶賛されたとのこと。
ブルースの女王
東洋音楽学校(現・東京音楽大学)卒業後も、淡谷さんはそのまま母校に残り、研究科に籍を置き、母校主宰の演奏会ではクラシック歌手として活動されました。
ですが、それだけでは生計が立たなかったため、家計を支えようと流行歌も歌い、1930年には「久慈浜音頭」でデビュー。
1935年に発表したシャンソン曲「ドンニャ・マリキータ」がヒットしたことから、日本におけるシャンソン歌手の第1号となりました。
そして1937年には、当時まだ無名だった作曲家・服部良一が淡谷さんの声を気に入り、「彼女に日本のブルースを歌わせたい」と制作された「別れのブルース」が100万枚を超える大ヒット。
「別れのブルース」を吹き込む際には、ブルースの情感を出すために、淡谷さんは一晩中煙草を吸い、飲酒もし、
そして、一睡もせずにわざと喉を潰してそのままレコーディングに行き、ソプラノの音域をアルトへ下げて歌われたそうです。
その後発表された「雨のブルース」などが連続してヒットしたことによって、淡谷さんは「ブルースの女王」と呼ばれるようになりました。
1953年には、「第4回NHK紅白歌合戦」に初出場。
NHKの公式資料によると、淡谷さんは初出場で紅組のトリを務めたとのことで、第1回目を除き、紅白歌合戦において初出場でトリを務めたのは2022年現在でも淡谷さんお一人だけとのこと。
服部良一さんについてはこちらの記事にて詳しく書いています↓
バラエティー番組にも
1980年代に入ると、フジテレビ「ものまね王座決定戦」の名物審査員として出演されるようになり、淡谷さんの辛辣なコメントは視聴者の間で話題になるとともに番組の名物にもなりました。
また、小堺一機さんが司会を務めていたお昼のバラエティー番組「ライオンのいただきます」にも度々出演されており、バラエティー番組においてもご活躍されました。
晩年
85歳で新曲を発表するなど、テレビやコンサートなど精力的に活動を続けられましたが、「別れのブルース」の作曲家・服部良一さんが死去した1993年に脳梗塞で倒れ、
それが元で軽度ではありましたが言語症や手足に麻痺が残ってしまいました。
自身が出演したライブの音声を録音したテープを聞き、「これでは人様に聴かせられない」と、その後はメディアへの露出が無くなり、その後、1996年には寝たきりに。
公に姿を現したのは、1998年10月に故郷である青森県青森市の名誉市民に選ばれたことで、推戴式に車椅子姿で出席したのが最後となり、1999年9月22日にご自宅にて老衰のためお亡くなりになりました。
「ブギウギ」茨田りつ子のモデル・淡谷のり子と笠置シヅ子との関係は?
ドラマ「ブギウギ」では、りつ子が歌う「別れのブルース」をラジオで聞いたことで、鈴子はその歌声に感銘を受け、憧れるようになります。
そして、時を経て二人は生涯の良きライバルとして時に競い合い、そして、時に支え合うようになるとのことですが、
りつ子と鈴子のモデルである淡谷のり子さんと笠置シヅ子さんの関係も、ドラマ同様ライバルであるとともに、支え合う関係だったように思えます。
淡谷さんと笠置さん、お2人とも服部良一さんに師事されていたことからも、お互いライバル同士であったと思われます。
また、静かに立って歌う淡谷さんに対し、動きながら元気よく歌う笠置さんという対照的な歌唱スタイルであったことで淡谷さんは時折笠置さんのことを辛辣に批評することがあったとも言われています。
ですが、お2人は晩年までお互いをよく知る友人同士として交流を重ねたとのこと。
1947年に笠置さんは未婚の母として、娘・エイ子さんを出産されますが、1938年に淡谷さんも未婚の母として娘さんを出産されています。
笠置さんがエイ子さんを出産する数日前に父親はこの世を去ってしまっており、一方、淡谷さんも娘さんの父親に関して「中国で死んでしまった。娘が出来たことも知らずにね。」と語っています。
同じような境遇のお2人ですので、想像にはなりますが、きっと分かり合える部分が多かったのではないかと思いますし、
淡谷さんは、笠置さんのご自宅に遊びに行く度、笠置さんの娘・エイ子さんに「お母さんに感謝しなさいよ」と仰っていたそうです。
まとめ
「ブギウギ」にて、菊地凛子さん演じる茨田りつ子のモデル・淡谷のり子さんについて、どのような方だったのか、
また、「ブギウギ」のヒロイン・鈴子のモデル・笠置シヅ子さんとはどのような関係だったのか、まとめてみました。
淡谷のり子さんは、1907年8月12日 、青森県青森市にて豪商「大五阿波屋」(だいごあわや)の長女として生まれましたが、3歳の時に火事で店が焼失してしまい、その後淡谷さんが10代の頃に実家は破産。
母と妹とともに上京し、東洋音楽学校に進学。声楽を学びます。
休学し、家計を支えるなどご苦労されたそうですが、首席で卒業するとともにその歌声は「10年にひとりのソプラノ」と絶賛されました。
デビュー後は、日本におけるシャンソン歌手の第1号と称され、「ブルースの女王」とも呼ばれるように。
歌手としてだけでなく、その辛辣なコメントでバラエティー番組でもご活躍されました。
笠置さんとは、共に服部良一さんに師事していたことからライバル関係であったようですが、お互いシングルマザーとしての境遇であったことから、分かり合える部分も多く、ドラマ同様、支え合える良き友人関係だったのではないでしょうか。
「ブギウギ」モデル一覧・エピソード一覧はこちら↓
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