「ブギウギ」第7週において鈴子の日宝移籍騒動が描かれます。
実際に「ブギウギ」のヒロイン・鈴子のモデルとなった笠置シヅ子さんには松竹から東宝への引き抜き騒動がありました。
笠置シヅ子さんの東宝への移籍騒動についてまとめてみました。
(※ネタバレを含みます。ご注意ください。)
目次
「ブギウギ」鈴子の日宝移籍騒動!
「ブギウギ」第7週において鈴子の日宝移籍騒動が描かれます。
以下、引き抜き騒動の流れを簡単にまとめてみました。
松永より日宝に誘われる
東京の梅丸楽劇団にスカウトされ、東京に出てきた鈴子(趣里)。
1年が過ぎ、「スイングの女王」として大人気となった鈴子は、ある日、淡い恋心を抱いていた演出家の松永大星(新納慎也)から呼び出され、梅丸のライバルである日宝に一緒に移籍しないか?と誘われました。
数日後、松永と共に日宝の社長・大林に会いに行った鈴子。
ここで大林から「梅丸の1・5倍の給料を支払う」との提案をされ、契約書への署名を求められました。
鈴子は困惑し、即答を避けましたが、松永は鈴子にしきりに移籍を勧めるのです。
移籍に対して相談した羽鳥善一(草彅剛)には大反対されるとともに、鈴子自身も「梅丸には義理がある」と移籍話に思い悩むのですが・・・
弟・六郎からの手紙
そんな時、弟・六郎(黒崎煌代)より手紙が届きます。
そこには、母・ツヤ(水川あさみ)の体調が良くないということが綴られており、腰痛が悪化して熱々先生から詳しい検査を受けるように勧められているとのこと。
ツヤの治療費を賄うためにも、高給を得ることのできる日宝へ移籍した方が良いのでは?と鈴子は考え始めます。
梅丸の関係者に知られる
水面下で進めていたはずの移籍話ですが、鈴子への日宝からの引き抜きの話はやがて梅丸の関係者の知るところとなり、梅丸の社長・大熊(升毅)は激怒。
そして、鈴子の下宿先にやって来た部長・辛島(安井順平)から問い詰められ、そこで初めて鈴子は「大変なことをしてしまった」と悟るのです。
辛島は「日宝と話ができないように」と、鈴子をしばらく軟禁するつもりでいましたが、鈴子は辛島の目を盗み、下宿先の部屋の窓から抜け出して松永に会いに行くのです。
儚く散った初恋
松永に会った鈴子は、「ワテと一緒に逃げてください。ワテ、松永さんのことが好きです」と告白。
突然の鈴子の告白に、松永は「ソーリー、ごめんよ」と謝ります。
そして、松永からアメリカに恋人がいることを告げられ、鈴子は失恋してしまうのです。
引き続き梅丸で!
その後、鈴子は日宝に対して移籍の話を断るとともに、改めて辛島に謝罪をし、引き続き梅丸にて活躍していくこととなります。
笠置シヅ子の東宝移籍騒動とは?
「ブギウギ」において、鈴子の日宝への移籍騒動が描かれますが、鈴子のモデル・笠置シヅ子さんにも引き抜き騒動がありました。
以下、ご紹介していきます。
益田貞信より東宝へと誘われる
「ブギウギ」において、鈴子は演出家の松永より日宝への移籍を誘われますが、実際、笠置さんに移籍を勧めたのは、松永大星のモデルとなった益田貞信さんでした。
笠置シヅ子さんは、益田貞信さんから松竹のライバル会社である東宝へ一緒に移籍しないかと誘われたのです。
「スイングの女王」として人気を博していた笠置さんの才能に惚れ込んでいたことで、演出家の益田さんにとって笠置さんは魅力的な人材であったようです。
実家への仕送りが必要だった
笠置シヅ子さんは、当時としては破格の金額である月給200円を松竹から受け取っていたそうなのですが、「育ての親に報いたい」との思いから、150円を仕送りされていたそうです。
それに対して、東宝より提示された月給は300円。
笠置さんは、「月給が上がれば、もっと仕送りを増やせる」と悩んだそうです。
「ブギウギ」にて描かれているのと少し事実は違っており、笠置さんが東京に行く前にすでに母・ウメさんには胃癌の兆候があり、弟・八郎さんは出征。
父・音吉さんは八郎さんが出征すると、働く気力を失ってしまい、お風呂屋さんを畳まれていたそうですので、一家の中で働き手は笠置さんお一人だったそう。
一家の大黒柱として生活費を稼ぐだけでなく、母の治療費を稼がなければいけなかったという事情もあって、東宝から提示された条件に心惹かれたのでしょう、笠置さんは東宝側が差し出した契約書にサインをしてしまいます。
弟・八郎さんについてはこちらの記事に詳しく書いてあります↓
母・ウメさんについてはこちら↓
松竹にて監禁される
笠置さんが東宝へと移籍しようとしていることは、すぐに松竹歌劇団長の知るところになりました。
「ブギウギ」の中では、「これ以上日宝と話ができないように」と監禁されかけるものの、鈴子は隙を見て逃げ出しますが、
笠置さんは、松竹歌劇団長・大谷さんによって、大谷さんの妻の監視の元に葉山の別荘にて軟禁、そして叱責を受けたそうです。
その日数は、なんと23日間。
そして、鈴子同様、笠置さんもこの時になって初めて「大変なことをしてしまった」と気が付かれたそうです。
この時、作詞家・服部良一さんがこの事態の収拾をはかるため奔走されたようで、
当時、服部さんが「笠置君が辞めるなら、僕も辞めさせてもらう」などと発言したことで、マスコミからあらぬ誤解を受け、服部さんと笠置さんのゴシップ記事が出るということもあったようですが、
服部さんが上手く間を取り持ってくれたことで東宝を交わした契約書を白紙に戻すこととなり、結局、笠置さんは松竹に残ることなりました。
服部良一さんについてはこちらの記事に詳しく書いてあります↓
恋は実らず
「ブギウギ」において、鈴子に日宝への移籍話を持ち掛けた松永は鈴子の初恋の相手でしたが、実際、笠置さんも東宝への移籍話を持ち掛けてきた益田さんに好意を寄せていたようです。
東宝への移籍の話に心が傾いたのは、実家にもっと仕送りしたいという思いだけではなく、この話を持ち掛けた益田さんへの恋心もあったようです。
後に笠置さんご自身が益田さんへの想いを「初恋のような淡い片思い」と語っていらっしゃいます。
笠置さんの初恋のお相手・益田貞信さんについてはこちらの記事に詳しく書いてあります↓
まとめ
「ブギウギ」において鈴子の日宝移籍騒動が描かれますが、実際に「ブギウギ」のヒロイン・鈴子のモデルとなった笠置シヅ子さんには松竹から東宝への引き抜き騒動がありましたので、
笠置シヅ子さんの東宝への移籍騒動についてまとめてみました。
笠置シヅ子さんは、益田貞信さんより東宝への移籍を持ち掛けられると、益田さんへ淡い恋心を抱いていたこと、また実家への仕送りを増やしたいとの思いから、東宝との契約書にサインをしてしまいました。
東宝へ移籍をしようとしていることはすぐに松竹の知ることとなり、笠置さんは団長の別荘に23日間に渡り軟禁されてしまいます。
笠置さんに自分が作った曲を歌ってもらいたいと思っていた服部良一さんが間を取り持ってくれたことで、笠置さんは松竹に残ることとなりました。
「ブギウギ」モデル一覧・エピソード一覧はこちら↓
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