「ブギウギ」において水上恒司さん演じる村山愛助のモデル・吉本穎右(よしもと・えいすけ)さんは、吉本興業の御曹司であり、笠置シヅ子さんにとっての最愛の人。
ですが、吉本穎右さんは持病の肺結核が悪化し、亡くなってしまいます。
吉本穎右さんとはどのような方だったのか、また、笠置シヅ子さんと吉本穎右さんの悲恋について、詳しくまとめてみました。
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目次
【顔画像】「ブギウギ」村山愛助(水上恒司)のモデル・吉本穎右とは?
「ブギウギ」において水上恒司さん演じる村山愛助のモデル・吉本穎右(よしもと・えいすけ)さんは、吉本興業の御曹司であり、笠置シヅ子さんにとっての最愛の人。
吉本穎右さんについて、その人物像をまとめてみました。
吉本穎右は吉本興業の御曹司
吉本穎右さんは、1923(大正12)年10月26日、父・泰三(吉兵衛)さんと母・せいさんの次男として誕生しました。
(生まれた時には「泰典」と名付けられましたが、後に「穎右」と改名。)
父・泰三さんは、穎右さんが生まれてすぐの1924年2月13日に39歳という若さで死別。
また、穎右さんは次男ではありましたが、長男・泰之助さんが穎右さんが生まれる前の1918(大正8)年に亡くなっていたため、
母・せいさんは、生まれたばかりの穎右さんに家督を相続させ、当主としていました。
泰三さんの実家である吉本家は、大阪市東区(現・中央区)内本町橋詰町にて高級料亭に箸を納める老舗荒物問屋「箸吉(はしよし)」を経営していましたが、
泰三さん・せいさん夫婦は、1912年(明治45年)に寄席経営を始めており、穎右さんが生まれたのは現・吉本興業の元となる「吉本興行部」が設立されて10年ほど経った頃でした。
母・せいさんは、吉本家の当主である穎右さんの親権を行使する形で吉本興行部を運営。
また、実質的な運営は自身の弟・林正之助さんに任せてはいたものの、穎右さんに後を継がせることを約束しており、穎右さんは生まれた時から吉本興行部(のちの吉本興業)の後継者として育てられました。
吉本興業創設者である母・吉本せいさんについては、こちらの記事に詳しく書いてあります↓
「ブギウギ」にて演じるのは水上恒司
「ブギウギ」において、吉本穎右さんをモデルとした村山愛助を演じるのは水上恒司さん。
村山愛助を演じるのは水上恒司さんの登場は、11週「運命の出会い」(2023年12月11日から放送)。
舞台は、太平洋戦争が続く1943(昭和18)年6月。
地方巡業を続けるスズ子と名古屋にて運命の出会いを果たします。
「ブギウギ」において、スズ子と愛助の恋愛模様はどんなふうに描かれるのでしょうか。
「ブギウギ」村山愛助のモデル・吉本穎右の死因は肺結核!笠置シヅ子との悲恋!
「ブギウギ」に登場する村山愛助のモデル・吉本穎右さんは、笠置シヅ子さんの最愛の人。
お2人の結婚は、穎右さんの母・せいさんより反対されていたことですんなりとは叶いませんでした。
何とか許しを得ようとしていたものの、穎右さんが肺結核にてお亡くなりになったことで、ご結婚に至ることはありませんでした。
笠置シヅ子さんと吉本穎右さんの出会いから悲しい別れまでをまとめてみました。
出会い
笠置シヅ子さんと吉本穎右さんとの出会いは、名古屋の御園座の楽屋でした。
1943年(昭和18年)6月、笠置シヅ子さんが慰問先である名古屋を訪れた際、知り合いが御園座にて公演をしていたため挨拶に行ったところ、
当時、早稲田大学生であり、東京から実家のある大阪へと帰る途中に名古屋に立ち寄ったという吉本穎右さんと出会いました。
芸能に詳しい穎右さんは、以前から笠置さんの大ファンだったそうです。
また、笠置さんは穎右さんの第一印象について、「美眉秀麗な青年」「非常に心の優しい、フェミニスト」と語っていらっしゃいます。
笠置さんの自伝によると、笠置さんは翌日に公演のため神戸に行く予定があり、穎右さんも私用で和歌山に行く予定があるとのことで汽車に一緒に乗ることを約束。
翌日、笠置さんが駅に着くと、穎右さんは一足早く駅に来て事前に笠置さんの席をとっており、重い荷物も客車に運びこんでくれたそうです。
ずっと差し向かいの席に座って話し込んだ二人。
笠置さんは、穎右さんのやさしさと人柄に触れ、好意を抱くようになったそうです。
恋愛へ発展
笠置さんは穎右さんに好意を抱くものの、ご自身が穎右さんよりも9歳年上であること、また、穎右さんは吉本の御曹司であることから
身分の差を気にして恋愛対象からは除外し、弟のように扱っていたそうですが、お互いの家を行き来するうち次第に惹かれ合い恋愛へと発展。
名古屋での出会いから1年半後の1944年(昭和19年)の暮れには結婚を誓い合うようになったそうです。
そして、1945年(昭和20年)5月25日の東京大空襲において、笠置さんの自宅も穎右さんの自宅も焼失ししてしまったことをきっかけに、
吉本興業から借家を斡旋してもらい、2人は同棲することとなりました。(ですが、2人きりということではなく、他にも何人か同居人がいたとのこと)
穎右さんは興行に出かける笠置さんのために舞台用具を持って送り迎えしたり、炊事や身の回りの世話まで行ってくれていたそうです。
結婚へ向けて
1945(昭和20)年に日本が敗戦を迎えると、穎右さんはその翌年(1946年)に穎右さんの叔父・林弘高さんが吉本興業から分離独立させた吉本株式会社(東京吉本)に入社するため、早稲田大学を中退。
それに伴い、笠置さんと穎右さんは同棲を解消するのですが、実はこれは結婚に向けての準備。
二人の関係が穎右さんの叔父・林弘高さんの知るところとなったため、「結婚するまで一緒に暮らすのは控えよう」という思いと、「学生のままでは結婚できない」という思いから、
穎右さんは大学を中退し吉本株式会社(東京吉本)に入社するとともに、笠置さんとの同棲も解消したようです。
妊娠発覚
東京の吉本株式会社にて働いていた穎右さんでしたが、母・せいさんが体調を崩し、息子である穎右さんの帰阪を切望していたこと、
また、穎右さん自身も身体が弱く、入社後に夜の付き合いも増えたことで、笠置さんから健康を心配されたこともあって
1947年、穎右さんは実家のある大阪の吉本興業本体に帰ることになりました。
穎右さんを見送った3か月後、笠置さんは妊娠に気が付きます。
穎右の死去
笠置さんは、1947年(昭和22年)に恩師である服部良一さんの提案にて始まった「ジャズ・カルメン」の公演が終われば、穎右さんと結婚し、舞台を引退しようと考えていました。
そこで、結婚準備のために借金して自宅を買い、穎右さんのために家具などを揃えたのですが、穎右さんからの連絡は途絶えがちに。
ようやく届いた吉本興業の社員から手紙によると、穎右さんは大阪に帰ってから多忙がたたり、風邪をひいて寝込んでいるとのこと。
そして、その後に届いた手紙に穎右さんの容体が次第に悪化していると書かれてあったことで、笠置さんはすぐにでも大阪に向かいたかったものの、出産日が近づいていたことで周囲に説得され断念。
一方、穎右さんの叔父・林弘高さんは、船をチャーターして笠置さんを大阪まで連れて行き、穎右さんに会わせようとしたようですが、これに対しては、身重である笠置さんの身体を気遣い、穎右さんが断ったとのこと。
その後、笠置さんの元には、5月18日に「今が生死の関頭」という最後通牒ともいえる手紙が届き、
翌日5月19日に穎右さんは24歳の若さで肺結核により亡くなられました。
未婚の母に
最愛の人である穎右さんの死去から半月ほど経った6月1日、予定日より半月遅れで笠置さんは無事3,150gの女の子を出産されました。
穎右さんの「女の子ならエイ子と名付けて欲しい」との遺言から、笠置さんは生まれた子に「エイ子」と名付け、子どもを育てるため、芸能界に復帰することに。
出産から3か月後の1947年(昭和22年)9月に「東京ブギ」(翌年に「東京ブギウギ」に改名)をレコーディングし、
1948年(昭和23年)1月にレコードがリリースされると爆発的なヒット曲となり、日本劇場において舞台「東京ブギウギ」が開演すると、連日超満員となりました。
笠置さんは穎右さんの忘れ形見であるエイ子さんを大切に育てられたようです。
生涯独身
穎右さんがお亡くなりになられた後、笠置さんは誰ともご結婚することなく、生涯独身を貫かれました。
娘・エイ子さんによると、「母にとって男性は父(穎右)だけだったでしょう。吉本穎右一筋の人でしたから」とのこと。
笠置さんは、穎右さんに初めて会った時にもらった名刺を肌身離さず身に付けており、親しい人には「夫が初めて会ったときにくれたの」と照れながら話していらっしゃったそうです。
まとめ
「ブギウギ」において水上恒司さん演じる村山愛助のモデル・吉本穎右さんは、吉本興業の御曹司であり、笠置シヅ子さんにとっての最愛の人。
ですが、吉本穎右さんは持病の肺結核が悪化し、娘・エイ子さんの誕生を待たずして亡くなってしまいます。
吉本穎右さん亡き後、笠置シヅ子さんは穎右さんに初めて会った時にもらった名刺を肌身離さず身に付けているなど、生涯穎右さんだけを愛し、独身を貫かれました。
笠置シヅ子さんと吉本穎右さんの悲恋、ドラマ「ブギウギ」ではどのように描かれるのでしょうか。
穎右さんとの別れは、涙なくして見られない放送回となるでしょうね・・・。
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