「ブギウギ」において、鈴子は村山興業の御曹司・村山愛助と恋に落ち、やがて結婚の約束を交わします。
2人の恋の行方についてネタバレ紹介していきます。
「ブギウギ」のヒロインのモデルは笠置シヅ子さん。
笠置シヅ子さんは、吉本興業の後継者である吉本頴佑さんと結婚の約束をしますが、結局、お2人が結婚に至ることはありませんでしたので、「ブギウギ」においても同様の結末になることと思われます。
「ブギウギ」における鈴子と愛助、そして、笠置シヅ子さんと吉本頴佑さんの悲恋についてネタバレ紹介させて頂きます。
(※「ブギウギ」のネタバレを含みますのでご注意下さい。)
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目次
【ネタバレ】「ブギウギ」鈴子が結婚するのは村山愛助?
「ブギウギ」において、鈴子(趣里)は村山興業の御曹司・村山愛助(水上恒司)と恋に落ち、やがて結婚の約束を交わすようになります。
村上愛助演じる水上恒司さんが「ブギウギ」に登場するのは、2023年12月11日放送の第11週「ワテより十も下や」(第51話)。
出会い
「福来スズ子とその楽団」が地方巡業を続けている中、愛知の劇場にて、歌い終わった鈴子たちの楽屋に、興行主に連れられてきた1人の学生。
「スズ子の大ファン」というその学生こそが村山愛助(水上恒司)だったのです。
愛助はすぐに楽屋を出ていったのですが、愛助の姿を見た鈴子は、その面影がどことなく弟・六郎に似ているように感じました。
しばらくして、お金の管理をしていた付き人の小夜(富田望生)が持っていたはずのお金が少し足りないことに気が付きます。
「落としてなんかいない。誰かに盗まれたんだ。」
小夜がそう主張している時、再度愛助が姿を現したことから、小夜やマネージャー・五木(村上新悟)は「つけてきたでは?怪しいな」と愛助のことを疑います。
ポケットの中を調べたり、挙句の果てには服を脱ぐように要求する小夜のことを見かね、鈴子は、愛助に対し謝るように小夜に促すとともに、「お詫びに」と食事に誘います。
食事の席で、「どれほどスズ子のファンなのか」について語る愛助に対し、「お世辞でも嬉しい」と鈴子。
翌日、大阪の実家に帰る愛助と神戸の公演に向かう鈴子は同じ列車に乗り込むと、列車の中で「手紙を書いてもいいか?」と尋ねる愛助に鈴子は自分の住所を教えました。
(小夜が無くしたと思ってたお金は、小夜自身が足袋の中にしまっており、無くしたと思っていたのは小夜の勘違いでした。)
お互いの家を行き来するように
鈴子が地方巡業から東京に戻ると、そこには愛助からたくさんの手紙が届いていました。
「あの学生、鈴子さんに気がある」という小夜の言葉に、「ワテより十も下や。色恋にはなりますかいな」と取り合わなかった鈴子。
そのまま長旅で疲れた鈴子は眠ってしまったのですが、愛助の夢を見ます。
外出していた小夜が帰ってきたことで目を覚ますと、そこには愛助の姿がありました。
「うちにいい蓄音機あるので、聞きにきませんか。」という愛助に、「小夜ちゃんも一緒でええのなら。」と鈴子は小夜を伴って愛助の自宅へと向かいます。
これをきっかけに、いつしか鈴子は1人で愛助の自宅に行き、2人で音楽の話をして楽しい時間を過ごすようになっていきます。
恋の障害
ある日、鈴子の元に二人の間が親密になっていくのを快く思っていなかった村山興業・東京支店長の坂口(メッセンジャー黒田)が訪ねてきます。
「ボンをたぶらかすのはやめて欲しい」
そう言われた鈴子ですが、愛助とはやましい関係は一切なく、ただの仲の良い友達。
ですが、「歳が離れているし、世間からどう見られるかを考えると、これまで通りとはいかないのでは?」と、坂口から言われたことを愛助に伝えると、
「歳の差なんか関係ない。恋人になってください」と愛助から告白を受けるのです。
愛助の母親は、村山興業の社長・村山トミ(小雪)。
五木曰く、「(トミは)関西の女傑で鬼みたいな人らしい。怒らせたら何をされるかわからない」とのこと。
また、愛助が9つも年下であることを考えると「みっともない」とも感じられるものの、学徒出陣の話を聞き、愛助も学徒出陣で戦争に向かうということを考えると、鈴子は胸が苦しくなるのです。
伝蔵(坂田聡)の店で愛助のことを小夜に相談していると、小夜との話を聞いていた伝蔵にこう言われます。
「大事なのはおめぇの気持ち。」「あの野郎(愛助)は、悪い奴じゃねえぞ。いい目してやがった。」
恋愛へと発展
伝蔵からの言葉に、鈴子は決心し、愛助の家に向かいます。
すると、中で愛助と坂口が話しているのが聞こえてきました。
「僕は真剣。福来さんはいい人。ちゃんとした人や。」という愛助に対し、
「たぶらかされているだけ。どうせすぐに捨てられる。ボンを利用しようとしているだけ。」という阪口。
坂口の言葉を聞いていた鈴子は次第に怒り心頭。
「いい加減にしなはれ。」とその場に入っていき、坂口と少し口論になります。
見かねた愛助が中に入り、坂口に帰ってもらい、鈴子と向き合い、鈴子からの返事を聞きます。
「ワテは、正式に交際させて頂きたくてここに来ました。」
同級生が戦地に向かう中、身体が弱いことで学徒出陣しなくても良くなった愛助。
坂口から「お国のために、学徒出陣をしている時に色恋に浮かれてる場合ではありません。同級生で徴兵に行く人もぎょうさんおる。その人らへ顔向けできひん。」と言われたことに対して、後ろめたい気持ちになっていたこともあり、その時すぐに鈴子に返事をすることはなく、しばしの時間が流れました。
そしてある日、愛助が戦場に行けないことに引け目を感じていることを知った母・トミから愛助の元に手紙が届きます。
あんたにはあんたのやり方でお国のために役立つ方法があると母は思ってます。引け目に感じることはありません。
この母・トミの言葉に愛助は励まされ、鈴子の元に向かい、こう言います。
「僕はいずれ福来さんにふさわしい人間になります。せやから、付き合ってください。」
愛助が結核に
二人の交際はすぐに愛助の母・トミの知ることとなりました。
「愛助の結婚相手は、村山興業を継ぐ愛助を支えてくれる人がふさわしい」と考えているトミには、歌手である鈴子は受け入れてもらえず、別れを促されます。
「僕は福来さんと交際したい。結婚となれば、僕は福来さんのことをどうしてもお母ちゃんに認めさせます。」という愛助でしたが、
ある日空襲警報が鳴る中、愛助はせき込み、吐血してしまうのです。
愛助は結核に感染していることが分かり、入院することとなってしまいます。
感染する危険を顧みず、愛助の看病をずっと続けていた鈴子。
鈴子の看病の甲斐もあって、随分愛助の顔色は良くなっていたのですが、その反面、鈴子の顔にはクマができ、やつれ果てていました。
懸命に愛助の看病をする鈴子の姿を見た坂口は、鈴子のことを見直します。
結婚の約束
ある日、空襲警報が鳴り響き、病院からもたくさんの人が避難していく中、逃げずにいる鈴子に対し愛助は逃げるように伝えます。
ですが鈴子は、「ワテもここにおる。」と言って、愛助のそばを離れようとしません。
その言葉を聞いた愛助は、警報の鳴る中「鈴子さん、僕が結核がようなったら結婚してください。」とプロポーズ。
「それ、今言うこと?」と言いながらも、「ええよ。結婚しよ。」と鈴子は愛助からのプロポーズを受けるのです。
いつしか眠ってしまった二人が目を覚ますと、そこには坂口がおり、こう言います。
「三鷹に家を借りました。」「あなたになら、ボンを任せられる。」
2人で住めるよう、三鷹に家を借りてくれたのです。
そして、こう続けます。
「これまでの無礼、お許しください。今後ともよろしゅうお願いします。」
母・トミの許しを得ることは出来てはいませんが、坂口は鈴子と愛助の理解者となってくれたのです。
離れ離れのまま
愛助と同居するようになった鈴子は幸せな時を過ごしますが、この幸せな時間もやがて終わりを迎えることとなるのです。(二人きりではなく、小夜も同居)
母・トミの許しはもらえていないものの、結婚の約束を交わした2人。
笠置シヅ子さんと吉本頴佑さんの実話から予想すると、その後、結婚の準備のため大学を中退し、愛助は村山興業に入社するのだと思われます。
そして、実家にいる母・トミの具合が良くないことで愛助は大阪の実家へと戻るものの、その後、自身も体調を崩し、東京にいる鈴子の元に帰ることなく息を引き取ってしまうのだと考えられます。
鈴子は愛助が大阪に帰ってから妊娠に気が付き、愛助の元にかけつけたくても身重の身体では行くことが出来ず、愛助が亡くなってから愛助との愛娘を出産する・・・という流れになるのだと思われます。
【実話】笠置シヅ子と吉本頴佑の恋の行方は?
笠置シヅ子さんと吉本頴佑さんの実話は以下の通り。
出会い
笠置シヅ子さんと吉本穎右さんとの出会いも、ドラマ同様、愛知(名古屋)の劇場でした。
1943年(昭和18年)6月、笠置シヅ子さんが興行で名古屋を訪れた際、知り合いが公演をしていた劇場に挨拶に行ったところ、
そこに来ていた当時早稲田大学生だった吉本穎右さんと出会いました。
「ブギウギ」同様、穎右さんは笠置さんの大ファンだったそうです。
笠置さんの自伝によると、公演のため翌日神戸に行く予定だった笠置さんと、私用で和歌山に行く予定だった頴佑さんは一緒に汽車に乗ることを約束し、ずっと差し向かいの席に座って話し込んだそうです。
その時、笠置さんは穎右さんの人柄に触れ、好意を抱くようになったとのこと。
お互いの家を行き来するように
笠置さんは穎右さんに好意を抱いていたものの、穎右さんよりも9歳年上であること、また、穎右さんは吉本興業の御曹司であることから恋愛対象からは除外。
弟のように扱っていたそうですが、お互いの家を行き来するうち次第に惹かれ合い恋愛へと発展していったそうです。
恋の障害
ドラマ同様、頴佑さんの母・吉本せいさんは、頴佑さんと笠置さんとの交際を反対していました。
理由については、せいさんの口から語られていないため、はっきりしたことはわかりませんが、ドラマ同様、「9歳年上であること」や、
「歌手の妻は会社を経営していかなければならない息子にはふさわしくない」と考えていたことが原因なのかもしれません。
また、もしかすると、せいさんは2男6女をもうけたもののその多くは夭折されており、息子は頴佑さんお一人だったことで「息子の交際相手は、どんな人であっても気に入らない」という可能性も・・・?
頴佑さんの母・せいさんについてはこちらの記事に詳しく書いています↓
結婚の約束
名古屋での出会いから1年半後の1944年(昭和19年)の暮れには、お2人は結婚を誓い合うように。
そして、1945年(昭和20年)5月25日の東京大空襲において、笠置さんの自宅も穎右さんの自宅も焼失ししてしまったことで、
頴佑さんの叔父であり、吉本興業・東京支店長の林弘高さんが借りていたフランス人の邸宅にて、2人は同棲することとなりました。(ですが、2人きりではなく、他にも何人か同居人がいたそうです。)
1945(昭和20)年に日本が敗戦を迎えると、穎右さんは笠置さんとの結婚の準備のため、翌年に早稲田大学を中退し、叔父・林弘高さんが吉本興業から分離独立させた吉本株式会社(東京吉本)に入社するとともに、同棲を解消します。
頴佑さんの叔父・林宏高さんについてはこちらの記事に詳しく書いています↓
離れ離れのまま
母・せいさんが体調を崩したことで、1947年、穎右さんは実家のある大阪の吉本興業本体に帰ることになりました。
穎右さんを見送った3か月後に、笠置さんは自らの妊娠に気が付きます。
笠置さんは、服部良一さんの提案で始まった「ジャズ・カルメン」の公演が終われば引退し、穎右さんと結婚しようと考えていたものの、やがて、穎右さんからの連絡は途絶えがちに。
ようやく届いた手紙によると、穎右さんは大阪に帰ってから多忙がたたり寝込んでいるとのこと。
次に届いた手紙に、穎右さんの容体が悪化していることが綴られていたため、すぐにでも大阪に向かおうとしましたが、出産日が近づいていたことで周囲に説得され断念。
そして、5月19日に穎右さんは24歳の若さで肺結核により亡くなられました。
穎右さんの死去から半月ほど経った6月1日、笠置さんは予定日より半月遅れで3,150gの女の子を出産。
穎右さんからの「女の子ならエイ子と名付けて欲しい」という遺言のもと、生まれた子に「エイ子」と名付け、子どもを育てるため、芸能界に復帰することになったのでした。
頴佑を生涯愛し続けた
笠置シヅ子さんの娘・エイ子さんの「母にとって男性は父(穎右)だけだったでしょう。吉本穎右一筋の人でしたから」の言葉通り、
笠置シヅ子さんは頴佑さんがお亡くなりになった後、誰とも結婚することなく、生涯独身を貫きました。
また、笠置さんは、肌身離さず穎右さんに初めて会った時にもらった名刺を身に付けており、親しい人には「夫が初めて会ったときにくれたの」と、照れながら見せることもあったそうです。
まとめ
「ブギウギ」において、鈴子は村山興業の御曹司・村山愛助と恋に落ち、やがて結婚の約束を交わしますが、2人が結婚することは叶わないと思われます。
「ブギウギ」のヒロインのモデルは笠置シヅ子さん。
笠置シヅ子さんは、吉本興業の後継者である吉本頴佑さんと結婚の約束をしますが、結局、お2人が結婚に至ることはありませんでしたので、「ブギウギ」においても同様の結末になることと思われます。
「ブギウギ」における鈴子と愛助、そして、笠置シヅ子さんと吉本頴佑さんの悲恋についてネタバレ紹介させて頂きました。
ただ「一時的に実家に帰る」だけのつもりが今生の別れとなってしまったお2人。
笠置さんは生涯頴佑さんを愛し続け、独身を貫きました。
生まれてくる我が子の顔を見ることなく亡くなってしまった頴佑さんの無念、最愛の人を亡くした失意の中で出産した笠置シヅ子さんのことを思うと、胸が押しつぶされそうです・・・。
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