「光る君へ」に登場するお笑いトリオ・ロバートの秋山竜次さん演じる藤原実資とは、一体どのような人物なのか
また、その家系図や藤原道長(柄本佑)との関係を分かりやすくまとめてみました。
「光る君へ」藤原実資(ロバート秋山)の人物像とは?
「光る君へ」に登場するお笑いトリオ・ロバートの秋山竜次さん演じる藤原実資とは、一体どのような人物なのでしょうか。
以下、まとめてみました。
「光る君へ」公式ページに書かれている人物像は以下の通りです。
出自
藤原実資は、天徳元(957)年、藤原斉敏の四男として誕生しました。
本来は、家督を継ぐ立場ではなかったものの、祖父・藤原実頼の養子となり、非常に愛され、若くして藤原北家の嫡流・小野宮流の資産を受け継ぎました。
藤原北家の主流は、次第に分派であるはずの道長の祖父・藤原師輔の家系(九条流)に移っていったものの、
藤原実資には、藤原北家の嫡流であるとの自負があったため、歴史や文学、有職故実に精通した一流の学識人として、権力を握った道長にもこびへつらわない態度を貫き続けました。
経歴・実績
この時代の朝廷においては日々の細かな儀式が何より重視されたため、有職故実に精通していた実資は、円融天皇、花山天皇、一条天皇と、三代の天皇の時代にわたって重職である蔵人頭を務めました。
そして、最終的に従一位・右大臣の官位に昇りつめ、賢い右大臣を意味する「賢人右府」と呼ばれるようになりました。
また、実資は、欠落している部分もあるものの、蔵人頭から右大臣右大将を兼任するまで(21歳の頃から84歳までの63年間)「小右記」と呼ばれる日記を書いています。
「小右記」には膨大な儀礼の記述があることで、藤原道長が権力を誇っていた時代の詳細な記録となっており、平安時代の歴史研究において非常に貴重な史料となっています。
「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたる ことも なしと思へば」
これは、道長が詠んだ有名な和歌ですが、これも「小右記」に記載されています。
ちなみに実資は、学問のみならず、蹴鞠の達人としても知られています。
女好き
有職故実に精通しており、「賢人右府」と称される実資。
気難しい人物であるようにも感じますが、実は実資は女好きであったという逸話が存在しています。
実資の邸宅の前に良い水の出る井戸があり、そこで付近の下女たちがよく水を汲んでいました。
実資は、その中で気にいった下女をよく自宅に連れ込んでいたとのこと。
それを知った道長の嫡男・頼通は、自邸の侍女の中から美人を選んで実資の邸宅の前の井戸に水を汲みに行かせ、「もしも実資に自宅に連れ込まれそうになったら、桶を捨てて逃げるように。」と伝えました。
案の定、実資はその侍女を自宅に引き入れようとしますが、侍女は頼通の言いつけ通り桶を捨てて逃げました。
後日、実資が頼通の元を訪れた際、頼通は「侍女が置いて行った桶を返してくれないか」と実資をからかうと、実資は赤面し返事ができなかったということです。
「光る君へ」藤原実資の家系図は?
「光る君へ」に登場する藤原実資の家系図を簡単にまとめてみました。
藤原氏は、大化の改新で有名な中臣鎌足の子孫にあたります。
もともと高い地位にいた貴族だったとされており、中臣鎌足の大化の改新での功績により、天智天皇より「藤原」の姓を賜り、鎌足の子である不比等の代より藤原姓を名乗るようになりました。
実資は、藤原忠平の長男で、藤原氏の嫡流(小野宮家)の藤原実頼の三男・斉敏の子として生まれました。
そして、若くして祖父・実頼の養子となり、非常に愛されて家領の多くを相続するとともに小野宮流を継承。
藤原氏の嫡流である小野宮流を継承したことから、実資は後の摂政・関白になってもおかしくない身分であったものの、当時は娘を天皇に入内させ天皇の外戚となることで権力を掌握するという後宮政治全盛の時代。
実頼の娘は朱雀天皇や村上天皇に入内したものの、皇子が誕生しなかったことで、実頼は天皇家との外戚関係を築くことができず、小野宮流は次第に勢いを失っていきました。
それに対し、道長の祖父・師輔の娘からは冷泉天皇、円融天皇の2人の天皇が生まれ、そのことで藤原氏嫡流は師輔の九条流へと移っていったのでした。
もう少し詳細な家系図はこちら↓
「光る君へ」藤原斉信(はんにゃ金田哲)とは?家系図や清少納言との関係を紹介!
「光る君へ」藤原実資と藤原道長との関係は?
「光る君へ」に登場する藤原実資と藤原道長はどのような関係だったのでしょうか。
以下、まとめてみました。
又従兄弟の関係
祖父同士が兄弟であることから、実資と道長は又従兄弟の関係。
実資は天徳元(957)年生まれゆえ、康保3(966)年生まれの道長より9歳年上です。
媚びない態度
道長が権力を掌握すると公卿らは道長にこびるようになりますが、実資は決して道長に媚びるようなことはなかったようです。
三条天皇の女御であった藤原娍子の皇后就任の儀式での出来事です。
一条天皇が死去した後、即位した三条天皇は、当時の権力者・藤原道長と次第に対立していくようになりました。
道長の娘・藤原妍子(けんし)は三条天皇の中宮でしたが、藤原済時の娘である女御・藤原娍子(せいし)が三条天皇の子を産んだことで、娍子が正式に皇后になります。
娍子の皇后就任の儀式の際には、権力者である道長に遠慮し多くが出席を拒んだものの、藤原実資は病床にあったにもかかわらず出席し、儀式の一切を取り仕切りました。
道長の持つ権力に迎合することなく、正義と筋道を重んじる人物であったことがうかがえます。
また、敢然として公平な立場に努めた実資は天皇からも信頼されるようになり、密かに天皇から頼られるようになりました。
嫡男・頼通の補佐役を依頼
道長に決して媚びることはなかった実資ですが、面と向かって対立していたわけではなかったようです。
学識が深く賢明な実資のことを道長は信頼しており、晩年、実資は道長より嫡男・頼通の補佐役を依頼されています。
実資と頼通は深い信頼関係で結ばれ、「小右記」には頼通に対する批判はほとんど書かれていないことから、特に実資は頼通に対して強い好意を抱いていたことがうかがえます。
また、頼通の方も学識のある実資への敬意を怠らなかったとのことです。
まとめ
「光る君へ」に登場するお笑いトリオ・ロバートの秋山竜次さん演じる藤原実資とは、一体どのような人物なのか
また、その家系図や藤原道長との関係を分かりやすくまとめてみました。
藤原実資は、藤原氏の嫡流である小野宮流を継承。
歴史や文学、有職故実に精通した一流の学識人であり、藤原氏の嫡流である自負もあったのか、権力者であった藤原道長にもこびへつらわない態度を貫き続けました。
道長とは又従兄弟の関係で、年齢は実資の方が9歳上。
多くの公卿たちが権力者・道長に迎合する中、敢然として公平な立場を貫いた実資でしたが、嫡男・頼通の補佐役を頼まれるなど、道長からはその学識の深さに一目置かれる存在でした。
「光る君へ」の関連記事はこちら↓
「光る君へ」長徳の変をわかりやすくまとめ!藤原伊周・隆家・定子はどうなった?
「光る君へ」周明(松下洸平)はいつから・何話から出演する?まひろとのロマンスも!?
「光る君へ」花山天皇の出家の理由は?兼家・道兼に騙された寛和の変についてまとめ!
「光る君へ」検非違使と放免について関係性と違いを解説!元罪人なのは本当?
「光る君へ」倫子のサロンの友達(取り巻き)人物紹介!演じる女優についてまとめ!
「光る君へ」倫子の猫の名前は小麻呂(こまろ)!本名・ニモくんの過去出演作を紹介!
「光る君へ」紫式部と清少納言の関係図を紹介!実は面識がないけれど嫌いだった!?
「光る君へ」藤原行成(渡辺大知)とは?家系図と清少納言との仲良しエピソードを紹介!
「光る君へ」藤原斉信(はんにゃ金田哲)とは?家系図や清少納言との関係を紹介!
「光る君へ」藤原公任(町田啓太)はどんな人?紫式部とは恋仲だった可能性!?
「光る君へ」まひろの弟・藤原惟規(高杉真宙)とは?その死因と和歌の才能の史実を紹介!
【光る君へ】道長の歌「ちはやぶる」の意味を解説!まひろに宛てたラブレター!
【ネタバレ】「光る君へ」直秀の正体と最期!演じる毎熊克哉のプロフィールを紹介!
「光る君へ」まひろの結婚相手・夫は藤原宣孝(佐々木蔵之介)!年の差婚の馴れ初めと史実は?
「光る君へ」道長(三郎)・子役は木村皐誠!映画など出演作品を画像付きでまとめ!
「光る君へ」まひろ・子役は落井実結子!ドラマのほか主な出演作品まとめ!
「光る君へ」何故まひろ?本当の名前と紫式部の名前の由来を調査!
2024大河ドラマ「光る君へ」光源氏役は誰?キャストとして登場しないと言われる理由!