「大奥」に登場する徳川家定(愛希れいか)の死因は何だったのでしょうか?
(※ネタバレ含みます。ご注意ください。)
家定の正室・胤篤(福士蒼汰)は井伊直弼(津田健次郎)による毒殺を疑いますが、実はそうではなかったことが後に明かされます。
また、過去に両親より摂取させられた毒が影響しているようにも思えますが、おそらく妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)による肝硬変が家定の死の直接の原因であるようです。
ただ、直接的な原因ではないにしろ、毒を摂取してしまった影響は大きかったのでは?と思われます。
以下、まとめてみました。
(※この記事は、よしながふみさん原作の漫画「大奥」のストーリーを元に綴っていますので、ドラマ「大奥」とは少し内容が異なる場合があります。)
「大奥」徳川家定の死因は?毒によるものではなく妊娠中毒症による肝硬変!?
「大奥」に登場する徳川家定の死因は、おそらく妊娠中毒症による肝硬変だと思われます。
ですが、母・お美津や父である12代将軍・家慶によって摂取させられた毒も少なからず影響しているようにも思えるのです。
家定の死
父・家慶から溺愛されていた家定(祥子)は、髪を結いあげるようになった13歳の頃から、実の父である家慶から性的暴行を受けるようになります。
兄弟に将軍職に就くことが出来そうな人物がいなかったことに加え、「嫁に出すことなく手元に置いておきたい」という自らの願望を叶えるため、父・家慶から名を「祥子」から「家定」に改め、13代将軍になることを命ぜられました。
その後、正室として婿を2人とるのですが、2人とも家慶によって毒殺されてしまいます。
父・家慶の死後、家定は3人目の正室として薩摩・島津家より胤篤(福士蒼汰)を迎えると、2人は次第に心を通わせ、愛し合うように。
そして、やがて家定は懐妊。
しかし、幸せな日々は長くは続かず、家定は身ごもったまま亡くなってしまいます。
家定と胤篤の関係についてはこちらの記事に詳しく書いています↓
死因は肝硬変?
家定の臨終を看取った蘭学医・黒木源一郎(赤面疱瘡の撲滅に尽力した黒木良順の孫)によると、家定の死因は「妊娠後期の肝硬変」とのこと。
胤篤に対し、黒木は「家定には、肝臓の働きが悪いことで起きる黄疸の症状があった」と告げました。
赤面疱瘡の撲滅に尽力した黒木良順についてはこちら↓
妊娠初期ではなく、ある程度の週数の経った妊婦に時折でる症状とのことで、黄疸が出てしまうと医師も手の施しようがないとのこと。
蘭学医・黒木の言うことを鑑みると、おそらく家定は妊娠中毒症(現在の呼び名は「妊娠高血圧症候群」)であり、肝機能が著しく低下したことで黄疸が出ていたのではないかと思われます。
「妊娠高 血 圧 症 候 群 」 の 発 症 頻 度 は全 妊 婦 の3〜4 %を 占め ,産 科 領 域 に お け る代 表的 疾
患 の 一つ で あ る .本症 は ,高 血 圧 を主 体 と し蛋 白尿 を き た す疾 患 であ るが病 因 に は不 明 な
日本肝臓学会
点も 多い ,重症 化に よ り,肝機能障害,凝固 線溶 系 の異 常 ,呼吸循環 障害 お よ び中枢神経
系 の 異 常 を 含 め ,致死 的な 多臓 器 障 害 も惹 起 さ れ るた め 母 児双 方 の 予 後 改 善 の た め に は ,本症 の 病 態 と適 切 な対 処 法 につ い て理 解 す る こ と は重 要 で あ る
肝機能が低下し、肝硬変に至ったことが家定の死の直接的な原因であると思えます。
何度も毒を盛られる
上述の通り、家定の直接的な死因は、妊娠に起因する肝機能の低下だと考えられますが、家定は何度も毒を摂取してしまっているため、
妊娠する前にはすでに肝機能が衰えてしまっていた可能性があります。
家慶が娘である祥子(家定)に対し、性的虐待を加えているのを知った祥子(家定)の母・お美津は、
あろうことか娘である祥子(家定)のことを「家慶の寵愛を争うライバル」として扱い、祥子(家定)は母から毒を盛られてしまうのです。
また、家定に対して毒を持ったのは母だけではありませんでした。
ある日、家慶が夜中に「天ぷらが食べたい」と言ったことが原因で江戸城本丸が火事になってしまうのですが、このことをきっかけとして、
家慶の性的虐待から家定を守るため、11代将軍・家斉の正室である広大院(蓮佛美沙子)は、家定のために焼け残った西の丸に男を集めた大奥を作らせ、家定と家慶を物理的に遠ざけました。
家慶は、家定に会いに行っても追い返されてしまったことから、憎悪を募らせ、自らの娘である家定に毒を盛りました。
家定と共に毒を盛られた2人目の婿として京の一条家から迎えた秀久は死亡。
家定も命は取り留めたものの、2日間意識が戻りませんでした。
このように、家定は自身の両親から何度も毒を盛られ、それを摂取してしまっていますので、3人目の夫である胤篤と出会った際にはもうすでに肝機能が衰えてしまっていたのでは?
家定の死の直接的な原因は毒によるものではなく、妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)ではあるものの、毒による影響はとても大きかったのではないでしょうか。
家定の父。家慶についてはこちらの記事にて詳しく書いています↓
まとめ
「大奥」に登場する徳川家定(愛希れいか)の死因は何だったまとめてみました。
正室・胤篤(福士蒼汰)は井伊直弼(津田健次郎)による毒殺を疑いますが、黄疸が出ていたことから、毒ではなく、おそらく妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)による肝硬変が直接の原因だと思われます。
ですが、過去に両親から何度も毒を盛られており、2日間意識が戻らなかったということもあった家定。
死に至らなかったまでも、度重なる服毒の身体への影響は大きく、3人目の夫・胤篤と出会った際にはもうすでに肝機能が衰えてしまっていたのでは?と思われます。
妊娠したことでさらに肝臓に負担がかかってしまったことが、家定の死の原因なのだと考えられます。
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